自分には6人の神がいる。
主に思春期の頃に大きな影響を受け、憧れを通り越して自分の中で神格化してしまった方々だ。(以下敬称略)
DTMの神: 中田ヤスタカ
ロックの神: 藤原基央
映画音楽の神: 久石譲
漫画の神: 真斗
小説の神: あさのあつこ
ボカロの神: wowaka
順に紹介していく。
・DTMの神: 中田ヤスタカ
3人組アイドル『Perfume』の楽曲、プロデュースを手掛けるアーティスト。昨今は米津玄師やAdo等にも楽曲を提供している、超売れっ子な作曲家。
ジャンルは専らテクノ、エレクトロのイメージだが、実は普通のポップスやビッグバンド、ジャズやボサノバなどかなり幅広い楽曲を手掛ける。その卓越したメロディセンスで最強にキャッチーな曲を量産するヒットメーカー。
なのだが、自分にとっては何よりも『capsule』のイメージが強い。
初めての出会いはスタジオジブリのショートショート『空飛ぶ都市計画』と『ポータブル空港』。映像も勿論すごかったのだが、自分にとってはそのお洒落すぎるBGMに衝撃を受け「この人何者なん⁉︎」と思い調べてみたのがキッカケ。そこからDTMのことを知り自分でもやってみたい!と思い立った。自分にとっては今でもこの人こそがDTMの神である。
・ロックの神: 藤原基央
ロックバンド『BUMP OF CHICKEN』のギター、ボーカル。同バンド名義のほぼ全ての楽
曲の作詞作曲を行っている。自分がロックを知った初めてのバンドである。
初めての出会いは『ダンデライオン』。楽曲というよりも、まずはその歌詞に衝撃を受けた。それまで聴いていたポップスや学校で習ったような歌にはない、楽曲そのものが物語になっているという作品。今でこそ珍しくないがその当時は本当に新しい歌だった。何を隠そう、自分が生まれて初めて買ったCDは彼らのデビューアルバム『FLAME VEIN』である。直訳で「炎の静脈」。厨二病真っ盛りな感じだが、むしろそれが良い。
・映画音楽の神: 久石譲
言わずと知れたスタジオジブリのあらゆる作品のテーマ音楽、BGMを担当する作曲家。個人的には北野武監督の映画『菊次郎の夏』に使われた『summer』が大好きだ。この曲があったから自分はピアノを続けられたし、音楽の素晴らしさに気づくことができた。「世界で1番素晴らしい曲は?」と訊かれたら迷わずこの『summer』を挙げると思う。
作曲的な側面で言えば、メロディやコード進行にめちゃくちゃ強い影響を受けている。ぶっちゃけパク……みたいなレベルのものも、正直ある。それくらい強い影響を受けている。
世間的には巨匠というイメージが強いと思われるが、実はむしろ生産主義的なところがあり、本人曰く「毎日必ず一曲作る」がモットーだそう。自分が多作な人に憧れるのもこの人が始まりかも。
漫画の神: 真斗
恐らく今回紹介する中で世間的には1番知名度が低い方と思われる。漫画『ポケットモンスターSPECIAL』の作画担当である。だから漫画の神と言うよりは漫画イラストの神と言った方が良いかもしれない。
厳密には1巻〜9巻までの担当であり、それ以降は別の作家さんに引き継いでいる。本人の体調不良等があり連載を続けることが困難であったようだ。当時はそれが本当にショックで、それ以降のポケットモンスターSPECIALを読むことが出来なかった。同作は今でも連載が続いているが、未だに10巻以降は読んでいない。それくらい大きな影響を受けた。自分が幼い時に1番お手本にしていた漫画家であり、自分の漫画創作の源と言っていい。
特徴としてはその柔らかい線。丸みを帯びたタッチで描かれるキャラクターはどれも親しみやすく、不思議な温かみがあり、個人的にはすごく魅力的な存在である。手塚治虫を思わせるあの美しい線は、自分がいくら練習しても到底再現できないだろうと思っている。
小説の神: あさのあつこ
代表作は『バッテリー』。主に児童小説を手掛けるが、たまに時代小説も書く。学生の頃にドハマりし、一時期は新しく出る作品すべてを読んでいた。
その魅力はとにかく熱のある文章。これでもかと言うくらい思春期の少年少女達の心境を赤裸々に描く。自分でもコントロール出来ない迸る感情を言葉にしてぶつけ合い、また絶望し、あるいは嫉妬し、身体の中で心の中で暴れ回るどうしようもない気持ちを鮮烈に鮮明に描き出す。自分にはこの人の書く文章は熱を帯びていると感じる。それくらい熱い。
自分が作品の中でやたら恥ずかしい台詞やクサい文句を混ぜてしまうのは、この方の影響がかなりあると思う。
話が少し逸れるが、先日某テレビ番組に出演されていた時に「身体の内臓を全部ひっくり返して文章を書きなさい!」と仰っていて、どこかで聴いた台詞だなと思っていたら『BLUE GIANT』でピアニストの雪祈がソロ演奏に対してダメ出しをされた際に言われた台詞と一緒だった。ジャズと文学って意外と似てるところがあるのかもしれない。
ボカロの神: wowaka
代表作『ローリンガール』『ワールズエンドダンスホール』等、ボカロといえばこの人と言える作曲家。ボカロPとしての活動以外にもバンド『ヒトリエ』のリーダーを務めていた。が、2019年に急死。あまりにも若い、突然すぎる死だった。
自分がボカロに1番ハマっていた頃に1番聴いていた方。特に『ローリンガール』が衝撃で、先程「世界で一番良い曲は?」と訊かれたら『summer』と答えると書いたが、「世界で一番カッコいい曲は?」と訊かれたら迷わずこの曲を挙げるだろう。
超がつくほどのアップテンポ、中毒性のあるリフ、今ではもはや当たり前の高速歌詞等、凄まじい勢いで最初から最後までぶっ通しで突き抜けていく。いわゆる「衝動」をそのまま具現化したような、そんな楽曲を得意とする。
ちなみにバンド「ヒトリエ」の方も全てのアルバムを持っている。どの作品も好きだが、やはり遺作となる『HOWLS』が一番好きだ。それまでと違い勢いだけではなく、少し切ないメロディがあったり意図的にポップなアレンジの曲があったりと新しい試みが様々に表れており、これは今後の大きな転換点、バンドのシンギュラリティ的なアルバムになるだろうと思っていた矢先、まさかの不幸に見舞われた。
wowakaさんが亡くなって新体制になった後もヒトリエは活動を続けている。勿論自分聴き続けているし、応援し続けているが、願わくば彼ら4人が進む道を永遠に見続けていたかった。本当に残念でならない。改めて、氏のご冥福を心よりお祈りする。
以上が、自分にとっての6人の神である。
自分の作品にもかなり大きな影響を与えているので、もし共通の神をもつ方がいたら是非お話ししたい。きっと一夜では済ませないくらい語り尽くせることだろう。
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