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ゴンノスケ

子ども部屋のカギ

最近、家を建てている。


息子二人もそれなりに大きくなってきたし、自分も本格的に創作部屋が欲しくなってきたので思い切ってマイホーム、という訳だ。


そこで家の設計図面を作っている際に、設計士さんにお願いしたことがある。


「子供部屋には、鍵をつけてください」



設計士さんは意外だったのか、ちょっと驚いたような顔をして「わかりました」と答えた。隣で聞いていた妻からは「え?カギいる?」と言われたが、自分は「絶対にいる」と即答。

やり取りを聞いていた設計士さんが「あぁ、あれですか。やっぱり、息子さん2人ですもんね。思春期の頃とかいろいろありますもんね」と言われたが、うーん多分そちらの想像と違う・・・と思いつつも「まぁ・・・そうですね」と頷いておいた。



いや、それも確かにあるかもしれない。でも、個人的にはそうじゃない。


 

では何かというと、自分が思春期の頃は、一番自分の世界にどっぷり浸かっていた時期だった。毎日机に向かって絵を描いたり漫画を描いたり、とにかく無我夢中で創作に夢中になっていた。次から次へとどんどんアイデアが浮かび、それを具現化するべく一心不乱に作りまくっていた。



そういうことが出来たのも、自分の部屋には鍵がついていたからだと思う。



自覚があるが、正直自分が創作に本当に集中している姿はとても周囲に見せられるようなものじゃない。文字通り机にへばりついて、紙と顔がほぼくっつくぐらい近づけて鉛筆を動かし、消しゴムで消し、また描いては消し、描いたものを机やベッドに並べ、頭はキャラクターになりきりアクションを真似てセリフをひねり出し、ああでもないこうでもないとぶつくさ言いながら1時間でも2時間でも描き続けていた。


そんな姿を家族に見られたらたまったものじゃない。


もし自分の部屋に鍵がついてなければ、足音に気づかずドアを開けられてしまうかもしれない、そんな恐怖と闘いながら創作をしなければならなかっただろう。


しかし幸い自分の部屋には鍵がついていたので、気兼ねなく創作に集中することが出来た。


 

別に子ども達も創作活動に目覚めて欲しいとか、そういう意図は全くない。


ただ将来自分が本当に夢中になれるものを見つけた時に、自分の世界に没頭できる場所が必要だろうと思ったからだ。そこには、鍵つきのドアが必須だろう。誰にも邪魔されず、自分の好きなことに集中できる時間というのは、長い人生を楽しむために絶対に必要なものだと常々思う。




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